浴室換気暖房乾燥機の基礎知識
ラックくんとアイルちゃん
新しい住まいに希望する方も多い浴室換気暖房乾燥機。
熱源には電気やガス、設置タイプには後付けもできる壁掛けや天井付けなどがあり、各メーカー商品には、さまざまなタイプが揃っています。
今回は、浴室換気暖房乾燥機の種類や特徴から始まり、メリット・デメリット、価格帯や選ぶ際のポイントなど浴室換気暖房乾燥機についての基礎知識をお伝えします。
浴室換気暖房乾燥機とは?
浴室換気暖房乾燥機は、子育て世代や忙しい主婦などに人気の設備機器のひとつです。
新築やリフォームの際に、検討する方も多くみられますし、ビルダーや工務店によっては標準仕様となっている場合もあります。
また、分譲住宅(マンションや建売住宅)だけでなく、賃貸マンションでも取り入れられている例もあり、身近な設備機器のひとつと言えるでしょう。
浴室換気暖房乾燥機とは、一般的に、浴室の換気、暖房、乾燥などの機能が一台で可能な機器のことです。
多くの方が取り入れるシステムバスでは、いくつかのタイプが設定されているので、希望や予算に合わせて選ぶことになります。
熱源は電気式とガス温水式
商品としての浴室換気暖房乾燥機は、熱源や設置方法、機能などによって、いくつかに分類することが可能です。
熱源で分けると、「電気式」と「ガス温水式」に分類されます。
どちらの熱源を選ぶかは、住まいのエネルギー計画や給湯器(システム)などに関わるので、新築の場合であれば、浴室換気暖房乾燥機単体で選ぶのではなく、トータルに検討することが重要でしょう。
電気式
電気式には、セラミックヒーターやグラファイトヒーターなどがあり、100Vだけでなくオール電化住宅に適する200Vタイプも存在します。
また、エネルギー効率のよいヒートポンプ式のタイプもあります。
ガス温水式
ガス温水式は、外部に設置した熱源機でつくったお湯を循環させて熱を放出するものです。
一般的には、熱源機や配管設置が必要なため、電気式よりもイニシャルコストはかかりますが、ランニングコストは抑えられると言われています。
取り入れる際には、給湯システムプランと同時に検討することが大切です。
設置方法
設置方法・形状で分類すると、「天井埋め込み(ビルトイン)タイプ」「天井付けタイプ」、「壁掛けタイプ」に分けられます。
天井埋め込み・天井付けタイプ
天井埋め込みタイプは、すっきりとした空間を保つことができるのが特徴です。
最近では厚みを抑えた薄型設計のものが増えてきています。
新築や浴室全体のリフォームの場合では、このタイプを設置するケースが多いようです。
天井付けタイプは、既存の換気扇を外して設置するケースが多くみられます。
リフォーム(後付け)に適しているタイプとなります。(取り付けが不可能な場合も)
壁掛けタイプ
壁掛けタイプも、天井裏にはダクトを通さず、既存の換気口を利用するため設置が簡単なのが特徴です。
リフォーム(後付け)に適しているタイプですが、取り付けが不可能な場合もあるので、事前に確認するようにしましょう。
商品種類
メーカーの商品には、戸建住宅用、集合住宅用があり、システムバスはもちろん在来工法の浴室に適応するものなども揃っています。
商品ごとに、1坪や1.5坪など、浴室空間の広さも設定されているので、適したタイプを選ぶことが大切です。
機能は、換気・乾燥、暖房、衣類乾燥、涼風、ミストサウナなど
浴室換気暖房乾燥機の主な機能は、浴室換気・乾燥機能、浴室暖房機能、衣類乾燥機能、涼風機能です。
また、ミストサウナ機能、カビ抑制機能、衣類脱臭機能などを持つタイプもみられます。
タイマー設定や温度や湿度を感知し自動運転するなど、使い勝手も高まってきています。
設置する メリット・デメリット
家事がラクになり入浴時も心地いい
浴室換気暖房乾燥機を設置して良かったという声には、「浴室がジメジメしないので、掃除が楽になった」、「幼い子供がいるので汚れものも多く、いつでも洗濯物を干せるのが安心」「花粉症なので、外干しできないから便利」など、掃除や洗濯物干しなど、家事が楽になる機能にメリットを感じている方が多くみられます。
また、「介護が必要な高齢の家族がいるので、洗濯物干しはもちろん、暖房機能も重宝している」「ミストサウナでストレス発散している」など、入浴時の心地よさを高める機能も
魅力です。
多機能すぎ・光熱費・時間の問題もあり
多くの方がそのメリットを認めている一方で、「多機能すぎて、あまり使いこなせない」「光熱費が気になって、使用頻度は高くない」「ミストサウナを使う時間がない」という声もります。
積極的に活用している方にとっては、満足度が高い設備機器と言えるのではないでしょうか。
本体価格
浴室換気暖房乾燥機の本体価格は、メーカーはもちろん、搭載されている機能、天井埋め込みか壁掛けかなどによって大きく異なります。
おおよそ、10万円弱程度の商品から20万円を超える商品までが揃っているので、予算に合わせ工事費も含めて検討することが大切でしょう。
電気代・光熱費なども考慮して
設置費用だけでなく、光熱費も考慮したいものです。
どの程度、光熱費がかかるのかは、電気やガスの熱源によっても異なりますし、使用頻度はもちろん、浴室の広さや外部気温、在来工法かシステムバスでも変わってきます。
メーカーやエネルギ—会社などでは、暖房機能や乾燥機能など、詳細な条件を記載した上での目安を示しているので、それらを参考に試算してみることをお勧めします。
選ぶ際には、空間やライフスタイルに適する機能か確認を
浴室換気暖房乾燥機は、住まい全体の換気計画に関わり、専門的な知識も必要となるため、実際の家づくりの中では、設計担当者などから提案された商品を検討する、ということになるでしょう。
熱源も含め、どのように使いたいのか、どんな機能が必要なのか、こだわりや希望がある場合は、早めに相談することです。
家族構成はもとより入浴スタイル、洗濯の頻度や量によって、必要な機能も異なりますし、浴室の空間や予算、ランニングコストを含めて、トータルに検討することがポイントです。
また、浴室だけでなく脱衣室に設けることができるタイプなどもあるので、隣接する脱衣室と同時に検討し、暮らしに合わせた機器を取り入れるようにしましょう。
ショールームではシステムバスに組み込まれているケースもあるので、空間プランを検討すると同時に、リモコンの操作方法も含め、確認しておくこともポイントです。